…ある日、ミチコが青いテントで留守番していると、見慣れない男の人がやってきて言いました。
「やあ、コンニチワお嬢さん。君だね?このあたりで評判の人造人間の女の子というのは」
「おじちゃんこんにちわ。ワタシ、ミチコよ。オトウサンは今、お留守なの。おじさん、なにかご用ですか?」
「…おじさんはね、君みたいな素適な子供を捜して日本中を歩き回ってるんだよ。ミチコちゃんもどうだね?おじさんといっしょに来てみないかい?面白いよお!」
「でも…ワタシ今お留守番なの…だから今日はお出かけ出来なくてよ。おじさん、ゴメンナサイね?」
「なるほど、お留守番なのか?…ところで、見たところ、…失礼かもしれないが、ここの暮らしは大変そうだねえ?ミチコちゃんがおじさんと一緒に来ればもっと良い暮らしができるのになあ。そしたら、君のお父さんも喜ぶだろうねえ…」
「本当?!ワタシがおじさんについて行ったら、オトウサン喜ぶ?」
「ああ、勿論だとも!」
「オトウサンも一緒に行くわよね?」
「…うーん、…いや、行き先は随分遠くの町なのでねえ…お父さんは来られないんじゃないかなあ?」
「…そうなんだ…じゃあ止めとくわ。オトウサン、体の具合が悪いから、ワタシがいなくちゃいけないの」
「なあんだ、そんな事を気にしてたのかい。だったら、これを置いていくと良いさ!」
そう言うと、怪しい男は分厚い札束を取り出しました…。