「惑星少年アラン」・『アラン誕生の巻』 2002/02/22 18:15:31


21世紀後半。天才科学者マリー・スパーク博士は、人類初の木星探検に成功。
帰路、調査の為に立ち寄った木星の衛星イオで、地球外から飛来したと思われる宇宙船を発見する。
そして船内に唯一生存していた産まれてまもない赤ちゃんを発見した。
博士は、その子を地球に連れ帰る事を決心し、アランと名づけ、わが子として育てるのであった…



アランは地球ですくすくと成長していった。
成長するにしたがい、地球人には無い不思議な力を数々発揮していった…
「ママ、それどこに運ぶの?よおし、ぼくもお手伝いするよ!」
「きゃあ?!アラン、ママ、自分で運べるからお手伝いはいいわ!」
「ちぇ、つまんないの!」
こうして、アランは元気に育ち、
やがてスパーク博士にも女の赤ちゃんが産まれ、アランに妹ができた。
二人は実に仲の良い兄妹である。妹の名はカオリという。



アランが十二歳の誕生日を迎えたその日…
「臨時ニュースをお伝えします!
先ほど、水爆を輸送中のパメリカ国の輸送機が
北極海上空で行方不明になりました。
墜落のショックで水爆が爆発する危険がありますので、
付近を航行中の船舶ならびに航空機は、
ただちに避難してください!」
ニュースを聞いたスパーク博士がアランに言った。
「アラン、今こそあなたのその力を人々の為に使う時です!
さあ、わたしが発明したこの強化服と、
そしてこの『遊星号』を使いなさい」
「はい、ママ!」
「ああーん、お兄ちゃん、カオリも連れてって!」
「だめだよカオリちゃん。危ないからここにいなくちゃ?」
「そうよ、カオリ。お兄ちゃんを困らせてはダメよ」
「うんもう!ママとアランお兄ちゃんのケチンボ!」
アランは現場に急行した。
「わあ☆ あれが氷山ね? きれいだわあ!」
「あ!カオリちゃん?!ついて来ちゃあダメだっていったじゃないか」
「あらそう?だったらいいもん!ここで降ろして」
「そうはいかないよ!?」
遊星号で海底に潜ったアランたちは輸送機を発見した。
「大丈夫ですか?」
「君は? いや、それよりも水爆がまもなく爆発するんだ!?
ここにいては危険だ!はやくにげろ!!」
  「だいじょうぶです。ぼくにまかせて!」



アランは遊星号のマジックハンドを使い、飛行機を海のうえまで引き上げ、
続いて水爆を取り外し、宇宙空間までひとっとび!
   「ようし!ここまでくればもう大丈夫だ!」
   水爆を宇宙空間に放り出し、地球にひきかえす。
   その直後、宇宙空間で大爆発がおこったのであった…

   ◆「アラン、よくがんばったわね!
これからもみんなの平和をまもってちょうだいね」
  「はい、がんばります!」
  「ママ、心配しないでね。お兄ちゃんにはこのワタシがついてるんですものね?」
  「まあ!あきれた」
  アラン一家の明るい笑い声が家じゅうにひびきわたるのでありました。(アラン誕生の巻  おわり)


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