「アラン危機一髪!」の巻 2002/04


★バビューン!とアランは飛ぶ!
  空の戦い、まかしとけ! アランが空を飛ぶ!
  今日こそ、憎っくき偽者を捕らえてやるぞと心に誓い、
『惑星少年アラン』が飛んで行く!!
  ☆そしてついに、アランは偽者の声をキャッチした!
「げしししし!あ〜っ"ンこ"してえ〜っ!ぼくはアランだから…」
そこまで聞いたアランの顔からは、音をたてて血の気がひいた。
★「やめろ!やめるんだ!やめてくれえ〜っ!
…いいえ、後生ですから…それだけは…お願いします!やめてくださあーい!?」
マッハ15のスピードでアランは現場に急行する!
☆「…アランだから、こっから"ンこ"しよお〜っと!」ぷり♪
下に集まっていた人々が口ぐちに叫ぶ。
「わ!えんがちょ!」
「わあ?!アランが"ンこ"したあ〜っ?!」
「アランは、"ンこタレ"だあ〜っ!!」
★本物のアランが叫ぶ。
「うわ!やめ!なに?!やめ!ああ…
もう!もおーおっ!もおおおおおおーっ!!
な、なにすんだよーぉっ!
よせよお〜っ!やあーめーろーよお〜っ?!
えっく…!なんで…
えっく!…そんな…
うっうっ…人の…人の……
嫌がる事すんだよお〜っ!
ばかあ〜っ!ばかあ〜!
  こ…この……このおーっ! ……ンこたれ〜ぇっ!」わあ〜ん! え〜ん! うわあ〜ん!
  猛スピードで本物が泣きべそかきながら現れたのに驚いて、偽者は思わず逃げ出した。
しかし、所詮は偽者。
すぐ捕まって泣きじゃくるアランの両手をぐるぐる振り回す『子供パンチ』によってたんこぶだらけになってしまったのであった……。
★「おまえは誰だ?なんでぼくを陥れようとしたんだ?!」
「へい。ご本人様に捕まってしまったとなれば、観念いたしやす。
…じつを申しやすとあっしは山奥に暮らしておりやした、タヌキなんでござんす!」
そういうと、偽者はタヌキの本性をあらわにした。
「なるほど。しかし、僕にはタヌキに恨まれる覚えは無いぞ!」
「へい。おっしゃるとうりで。あなた様には何の恨みつらみもござんせん
…話せば長い事ながら、聞くも涙、語るも涙の物語…」
★タヌキの話によれば、ある日あるとき、
いつものように人間を化かして遊んでいたのだが、その相手が悪かったんですな。
その相手っていうのが、
いつぞやアランにこっぴどくやっつけられた国際秘密ギャング団
「黒いラクダ」の残党だったてえんだから、このタヌキもゆくゆくついてない。
★やいこの!悪ダヌキ!人間様を化かそうなんて、ふてえ野郎だ!
てめえのようなやつはタヌキ汁にして食ってやるからそう思え!
  …と、言いたいところだが、今日はあいにく、
この俺様の、
おやじの兄貴の嫁さんの従姉の旦那の弟が通ってた学校の前のパン屋のおふくろさんの命日にあたるので、
それに免じて許してやっても良いぞ?

  へえ?何とおっしゃいました?

  ばかやろう!二回も言えるか!

  へい!ごもっともで…そんじゃあ、あっしはこれで山にけえしてもらえるんで?

  かえしてやってもいいが、そのまえに恩返ししてもらおうか?

  恩返し、と申されますと?

  きさま、どうやら化けるのが得意なようだな?
  実は、俺達の宿敵にアランという小憎らしい小僧がいやがって…
★「そんなようなわけで、あなた様にお化けいたしまして、
ご評判を落としていたような次第でございます…」
★真相が判明して、ますますアランは怒りをあらたにした。
「話はわかった!おい、タヌキくん!罪滅ぼしと思うならば、
ぼくをその悪者たちがいるところに案内してくれたまえ!」
「へい!おやすい御用でさあ!」次回、アランのリベンジがはじまる!請うご期待!!



★「悪い子は居ねがあ〜っ?!」
"黒いラクダ"のアジトに突入したアラン。
さながら二本角の小さな赤鬼といった形相である…。
★「あ、兄貴!?なんかいつもとイメージが違いますよお〜っ?!」
「…ちょっとやり過ぎたんじゃありませんか?」
「…よし!野郎ども!…ずらかれぇ〜っ!」
★アランのただ事ではない迫力に、黒いラクダ一味は逃げ出した。
「待てぇ!逃がすものか。スパークブーメラアアアアン!」クルクル!ビビビビ!クルン☆バシ!
★同行していたタヌキもスカンクに化けてプ〜!とやらかしたり、
お地蔵さんに化けて近寄ってきた悪者を
ポカン!と気絶させたりという、ずいぶん懐かしいような戦いぶりでアランに協力する。
★「スパパパスパー!スパー!スパアアアアク!
スパーク!ブーメ!ブーメ!ブーメラアアアアアアアン!」
★まさに「千切っては投げ千切っては投げ」といった塩梅でブーメランを投げ続けるアラン
…本当にこれでは地獄で亡者をセッカンするような有り様である。
主人公である事もすっかり忘れてしまった、ガチンコなラフファイトぶりに、さすがの悪党どもも心の底から恐怖を感じている…
★「お兄ちゃん!もうやめて!死んじゃうわ?!お願い!止めてあげて!」
突然カオリが飛び込んで来た。
ピッカリ博士の樽コプターでここまで連れてきてもらったのである。


☆カオリが言った 「お兄ちゃん…お家に帰ろう?
  ママがお兄ちゃんの大好物のキンピラごぼうとチクワのいっぱい入ったオデン作って待ってるよ?」
  ★ようやく、アランの顔に微笑みが戻った。
「…うん。そうだね…よし、晩ご飯に間に合うように家まで競争だ!」
「よおーし!お兄ちゃんなんかに負けるもんですか! あ、そうだ、ちょっとコレ借りるね?」
というなり、カオリは"スパークブーメラン"をアランからひったくり、
黒いラクダ一味のボスに向かって思いっきり投げた?!
  「うぎゃあ?!…もうごかんべんを…キュウ☆」ボスは気絶してしまった…。
  ★「カ、カオリちゃん?!あぶないじゃないか?ダメだよ、勝手に使っちゃ…カオリ?」
カオリは、目に涙をいっぱいうかべていた。
「…もう、今ので今回の事件は一件落着だね?…さあ、帰ろう!」
  ★悪漢たちは樽コプターに乗せて国際警察本部まで連衡される。
あのイタズラたぬきも無事山に戻ることに。
◆「アランの旦那ァ!またいつでも困った事がありやしたら、
あっしになんなりとお申し付けくだせえやし!
どこへでも旦那のためならば、たとえ火の中水の中、
雨が降ろうがヤリが降ろうが飛んでいきやすぜえーっ!」
「タヌキくん、さようなら!イタズラもほどほどにしろよ?」
◆綺麗な夕焼け空。
スパーク家に限らず、どこの家にも夕食時の明るい笑い声がひびいているのであった。(アラン危機一髪!の巻・おわり)


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