◆ゲッター君とアランの元に、
街のどまん中に怪しい物体が出現したとの連絡が入り、
二人はそれぞれの愛機に乗り込み現場に急行した。
★「うわははは!もっと驚け!21世紀の原始人ども!
貴様らにこのコマ型戦車が倒せるものか。うわははは!」
★「お兄ちゃん、あいつにあんな事言わせといて良いの?」
「かまうもんか。笑っていられるのも今のうちさ…ゲッターくん、準備は良いかい?」
「OK!」
★「む?…あ!あれはタイムパトロールのタイムマシーンだ?!
ちくしょう、こんな時代にまで追っかけてきやがったのか!」
「時間逃亡犯レオポン!無駄な抵抗はよせ!
大人しく31世紀の世界に帰って裁きをうけるんだ!」
「だれが!くそお…これでもくらえ!」
★時間逃亡レオポンは光線砲で攻撃するが、
ゲッター君は時間を止めたり動かしたりして器用に攻撃をかわしていく。
★「ちくしょう!やっぱりタイムパトロールにはかなわないのか?!
…ん?よく見れば、古臭いマシーンがさっきからチョロチョロしているが…ははーん、
この時代の誰かに協力を要請したのだな。よし!ひらめいたぞ…」
★アランとカオリの乗る『遊星号』に怪しい光線が命中してしまった!
遊星号は、なんと空中に停止したまま動かなくなってしまった?!
はたしてアランとカオリの運命やいかに? 待て次回!
★アランとカオリが乗り込んだ遊星号は
時間逃亡犯レオポンが発射したストップ光線によって
空中にストップしたまま身動きがとれない!
◆「たいへんだ!このままではアランくんとカオリちゃんがあぶない!」
ゲッター君は彗星号を自動操縦スタンバイにして、
半重力装置(イラストのシッポみたいなやつ)を使い、空中へ飛び出した!
猛スピードで回転するコマ型戦車の出入り口を確認し、
タイムストッパー(一定のあいだ、自分のまわりの時間を止める装置)で時間を止め、
そこから内部に進入した。
◆「…わ?! いつの間に俺様、ぐるぐる巻きになってたんだ??
あ!タイムパトロール! ちくしょう!タイムストッパーを使いやがったのか!」
「ピンポーン!おめでとうございます。
正解者のあなたには夢の31世紀時間旅行、
豪華刑務所で30年と二泊三日のツアーにご招待いたします」
「そんなのん気な事言ってて良いのかな?ふふふ…」
「なんだと?」
「俺様が急に操縦をやめてしまうと、2分で自動操縦に切り替わるのだ。
…もうそろそろじゃないかな?」
「そ、それはたいへんだ!おい、すぐ解除しろ!はやく!」
「手順をふんで切り替えた場合なら解除できるんだが、そうでない時には解除できないんだよ!
このコマは破壊兵器だからな。
どんなことがあっても目的をやりとげるようにできているのさ!
わはははは!」
◆今度はゲッター君が大ピンチ! 待て次回!
◆ゲッター君と時間逃亡犯レオポンを乗せたまま暴走するコマ型戦車。
暴走してから、どういう具合かストップ光線の効果が切れ、
アランとカオリが乗る遊星号は自由に動けるようになった。
◆「あ!あのコマの中にゲッター君もいるぞ?!」
「お兄ちゃんさすがあ!あたしじゃぜんぜんそんな事わかんないわ」
「なんとかして止めないと!…よおし、コマ回しなら得意なんだ!」
◆アランは遊星号を出て、建設現場の人に頼んで丈夫なワイヤーロープを借りた。
◆「そうれ!」
ワイヤーの一方の端を遊星号に結び、
リモートコントロールで操縦しながら、もう一方をアランが握り締め、コマの『軸』に巻き付けた!
そのまま、遊星号とアランは一定の間隔を保ちながら飛行し、
町一番ノッポなタワーのてっぺんにコマを上手にのせたのだった。
◆「わあ!これじゃあお手上げだあ!
まいりました。降参です…
おとなしく31世紀に帰って刑務所に入ります。ごめんなさい…」
◆こうして、ゲッター君に逮捕された時間逃亡犯レオポンは
31世紀の世界に強制送還されるはこびとなった。
コマ型戦車は証拠物件として、先にタイムパトロール本部へ転送された。
◆「色々ありがとうございました。アランさん、あなたの事は忘れません」
「僕も忘れないよ、ゲッター君」
固く手と手を握り合い、別れを惜しむ両英雄。
◆「さようなら!僕のご先祖さま!大昔のおじいさんとおばあさん…」
「え?」
驚くアランを残して、ゲッター君のタイムマシーンは時間のかなたへ消えていった。
見送りに来ていたカオリやチャラさん、ルカさん達がいろめきたった。
◆「ご先祖さまって…じゃあ、オバアサンは?」
「あたしにきまってるでしょ!」
「いいえ、わたしが!」
「お兄ちゃんはワタシのものよ!」わいわいがやがや
女同士の醜い言い争いをよそに、アランはいつまでも
ゲッター君が消えていった空間を見つめているのだった。(『未来の国から来た少年の巻』 おわり)