「マリリン・モロー博士の島」の巻 惑星少年アラン「マリリン・モロー博士の島」 2003/05/28 23:45:50

★マリリン・モロー博士の研究室に、陽気な歌声が高らかにこだましている。
▼「み〜ちゃん、み〜ち道♪…」
◆「およしなさい! わたくしの神聖な研究室の中で、
家族そろってそのようなオゲレツなお歌を歌うのはお止めあそばせ!」
◆そのとき、突然、皆が次々に叫んだ。
★「痛い!」
「きゃあ?!」
「アウチッ!」
「だ、誰ですの?! い、いきなりレディーの大切なおヒップに噛み付いた方は!
  そのような人間は地獄に落ちましてよ!?
  …って、わあ!? 人間じゃ無いし…というよりか、
い、いつの間に檻から出てきたのですか?! も、戻りなさい!」
みると、モロー博士によって人間のDNAを融合させて誕生した、
合成生物キメラ達に取り囲まれていたのである!?
  ◆リーダーらしき大きな白鼠が言った。
「ぼく達は、もうこんな狭い島の中に閉じ込められてくらちゅのは飽き飽きちまちた。
仲間とともに広い世間に飛び出して、人間になりかわってこの地球の支配ちゃになるのでちゅ!」
「なにを馬鹿な事を! そんな事できるものですか!」
  「やってみなくちゃわからないでちゅ! …つきまちては、自立した生活をおくる為、
まじゅはお嫁ちゃんを作らなければ世間的にイマイチ信用が薄いと思うので、
唐突でちゅが、女性の皆ちゃま……僕達と結婚ちてくだちゃい♪」
★「嫌よ!」スパーク博士、モロー博士、カオリが同時に叫んだ。
  「なあーにが悲しくて、子連れでネズミに嫁入りしなくちゃいけないのよ!」
「わたくしなんて、まだ一度も結婚しておりませんことよ。
最初の結婚相手くらいは人間に…じゃなくって、
人間以外と結婚するなんて身の毛もよ立ちますわ!?」
「ワタシまだ子供よ!」
  ◆「そういった細かい事は、僕たちは人間じゃ無いから
じぇーんじぇん気にちまちぇん♪
  きっと、ちあわちぇにちゅるから、
あんちんちて黙ってオレにチュいて来い! でチュ☆」
  ◆女性陣がいっせいにどなった。「アホかあ〜っ!?」
◆アランは"スパークブーメラン"を構えた。だが…
  ◆「うっ! か、体が…ど、どうなったんだ?
  体がものすごく、あ、熱い?!
  …熱くて、う、動けない?!」
★「はっはっは! 抵抗しようたって無駄でちゅ!
  さっき噛み付いた効果がもう出てくる頃でちゅからね!
  まもなく皆ちゃんは僕たちのDNAと融合して、
同じような姿になっちゃうのでちゅよ! わっはっは!」
★はたして、四人の運命は? 待て次回!


★アラン達がのたうちまわっている。
合成生物キメラによって、DNA融合因子を注入され、
徐々に姿を変えているのだ?!
  ◆「…ううん…わ! な、なんですか! このみっともない姿は?!
  ……うっ、うっ…こんな姿では、もう決定的にお嫁に行けませんことよ!?」
「ちょっと! なによこれ? 普通にネズミじゃない?!」
「どうやら、ヒトゲノムよりもネズミのゲノムの方が優勢に働いたようね…?」
「…ネズミ? ぼ、ぼく、ネズミになっちゃったあ〜っ?!」

  ◆やや落ち着きを取り戻したモロー博士が言った。
「おーほほほほ! しょせんネズミの浅知恵ですわね!
  これでは、サイズが違いすぎて、"結婚"は不可能ですわ!
  おほほほほ!」
  ◆リーダーの白鼠は言う。
「結婚生活というものは、何も繁殖だけを目的にするものではありまちぇん。
多少の障害も、愛があれば乗り越えられるものでちゅ☆」
  ◆スパーク博士が言った。
◇「言うわねえ? でもね…愛は……無いの! …アラン、カオリ、マリリン!
  とにかくこの場から脱出しましょう! それえっ!」
僅かなすきをついて、小回りの利く小さい体を利用し、スパーク博士たちは逃げ出した。
  「まてえ〜っ! 僕達のお嫁ちゃん、待てでちゅぅ〜!?」
★はたして、スパーク博士、アラン、カオリ、モロー博士は元に戻れるのだろうか? 待て次回!



☆しつこく追いかけてくるキメラたち。
アラン、カオリ、スパーク博士、モロー博士たち一行はキッチンに追い詰められた…
  ◆リーダーの白鼠は言った。
「ふふふ…もう袋のねじゅみでちゅねぇ!
  堪忍ちて、ボクたちのお嫁ちゃんになるでちゅ♪」
  ★「誰がなるもんですか! アラン…やっておしまい!」
「はい! ママ☆」
  ◆アランは食器棚にあった、てごろなやつを片っ端から放り投げた!
  ★「スパーク!…ブーメランじゃないやつ! ないやつ! ないやつぅーっ!」
  ◆「きゃあ〜っ!? ワタクシの大切なマイセンの食器のコレクションがあ〜っ?!」
  「マリリン、あなた、女のミサオとあんな瀬戸物のどっちが大事とおもってるのよ?
  …アラン! かまわないからどんどん投げなさい!」
  「はい! ママ♪」
  ★総額2000万円相当のアンティーク食器がすべて粉々になった頃、
キメラたちは全員のびてしまった…
  ◆「…で、どうするつもり?
  まさか私たちずう〜っとこのまま、なんて事はないんでしょうね?」
  「モチのロン!ですわ♪
  ワタクシの発明した『DNAくだし』を使えば、
余分なDNAはすべて取り除かれて、もとどうりに戻れるのですわ♪」
  「じゃあ、すぐに使いましょうよ! アタシもう、ネズミでいるのなんかコリゴリ!」
  「ボクもです…」

  ★一同は、モロー博士の研究室に戻り、『DNAくだし』を摂取した…

  ◆「きゃあ〜♪ うれしいですわ! アラン君、あなたの活躍のおかげね。ありがとう!」
人間にもどったモロー博士は思わずアランに抱きつく。

★「…きゃあ! お兄ちゃん大丈夫?! どーして急に気絶しちゃったのよ?!」
  「マリリン! 人間に戻って早々、服着る前にアランに抱きつかないでちょうだい!
  …ああ、アラン、大丈夫?!
  あんなマリリンなんかの、青少年に有害な、
ついてるだけで人騒がせで、無駄に大きくふくらんだ変なものを
二つも同時にあなたの可愛い顔にいきなり押し付けられたりしたものだから…
ああ! 心配だわ!
  うちの大事なアランの顔が…顔が腐ってしまったらどうしましょ?!」
  「いやあ〜っ! お兄ちゃんの顔腐っちゃいやあ〜ん?!」
  ◆「あなたがた…しまいにブッ殺しますわよ?!」

  ★まあ、なにはともあれ…キメラたちにも『DNAくだし』をあたえ、
元の生き物に戻し、事件は無事解決したのであった…(『マリリン・モロー博士の島』 完)


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