あの日以来、アランは子供部屋に引きこもったまま、学校へも行かず、丸一日何もせず、ただボーっとしていた。
「お兄ちゃん、あのね、デビル博士からメール来てね、
久しぶりにペスに会ってみないかって言うんだけど、
お兄ちゃんも一緒に行く?」
「…お兄ちゃんはいいよ…カオリちゃん一人で行っといでよ…」
「ダメ! お兄ちゃんと行くの!
…お兄ちゃん最近元気が無いから、たまには外出しないとダメ! ってママも言ってるし…さあ! 行きましょう♪」
「…う、うん…」
今は遊星号操縦しちゃ駄目! とスパーク博士にきつく言われていたので、二人は歩いてデビル博士のお家まで出向いた。
「オウ! カオリサァーン。オヒサシブリデェース♪
ササ、ドーゾコチラヘ。ペスモ元気デースヨ☆」
「おじゃましまぁ〜す☆ 博士、ペスはどこ?」
「ハーイ! ペス君、イラッシャ〜イ☆」
ワオーン!
カオリもアランも驚いた。
「え?! ペス…これがペスなのぉ〜っ?!」
そこには、巨大な『魔犬』が立っていた…
「ど、どーゆー事?
なんで子犬のペスが急にこんなバカでっかくなっちゃったのよ!
…デビル博士、ペスに何したのよ!?」
「ワターシガ発明シタ、特別ナ、ドッグフードデ育テタラ、
ミルミルウチニ、コォーーーンナニ大キクナーリマーシタァー☆
ミーワ、トップブリーダー☆ スゴイデースネ♪」
「す…凄すぎるわよ!
犬とは言えない大きさじゃないの!? これじゃ怪獣よ!」
「NO! 怪獣、チガイマース。『犬ノ王様』ナノデェ〜ス♪」
「犬の王さま?」
「ソーナノデェース。ペス君ハ、コレカラ人間ニナリ替ワッテ、
地球ノ支配者ニナルノデェース!」
「…博士…とっても良いお爺ちゃんだと思ってたのに!?
…ほれ、お兄ちゃん! 出番よ、頑張って!」
「…え〜っ? 僕がぁ〜? …今日はいいよ……」
「つべこべ言わずに、とっとと自分の役目を果たしなさい!
さあ行け!!」
「…カオリ…最近だんだんママに似てきたね…?」
戦え! アラン。デビル博士の野望を阻止するのだ!